閉経が遅い人の特徴|50代でも月経が続く…それは“おかしい”ことではありません【専門家監修:女性の健康支援の専門家】
- 高本 玲代
- 3月14日
- 読了時間: 8分
更新日:4 日前

「同世代の友人はもう閉経したのに、私だけまだ生理が来る。これって大丈夫?」
――40代後半〜50代の女性からよく届く声です。
生理が続くと仕事や生活のやりくりが大変になる一方で、
「閉経が遅いのは病気のサイン?」と
不安になることもあります。
結論から言えば、閉経年齢には大きな個人差があり、
日本人の多くは50歳前後ですが、
50代後半で閉経を迎える人も珍しくありません。
まずは、平均の“ものさし”と個人差の幅を正しく知ることが安心への第一歩です。
本記事では、「閉経が遅い人の特徴」を軸に、メリット・注意点・受診の目安・セルフケア・検診のポイントまで、40〜50代の更年期女性に寄り添って網羅します。記事の最後には診察メモのテンプレも用意しました。
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目次
閉経が遅い=何歳から?平均と個人差をサクッと整理
閉経が遅い人の特徴(エビデンスと実務の視点)
閉経が遅い人の“メリット”と“気をつけたい点”
受診の目安とチェックリスト
今日からできるセルフケア(睡眠・栄養・運動・ストレス)
よくある疑問Q&A
診察を最短で有益にする「メモ術」テンプレ
まとめ
1. 閉経が遅い=何歳から?平均と個人差をサクッと整理

閉経の定義:自然な状態で1年間月経がないことを後から振り返って診断。
日本の平均:おおむね50歳前後(近年は50.5〜52歳とする議論も)。
個人差の幅:40代前半での閉経〜50代後半での閉経まで幅広い。55歳を超えて月経が続くケースも実際にある。
目安として、55歳前後でも月経が残る場合は「遅いほうかな」と感じやすい領域ですが、それ自体が直ちに異常とは限りません。
2. 閉経が遅い人の特徴(エビデンスと実務の視点)

以下は研究知見と現場の実務感をふまえた「傾向」です。
個人差が大きい点を前提に、複数の要素が重なって閉経年齢が形づくられます。
2-1. 非喫煙者である
喫煙は卵巣への酸化ストレスや血流低下を通じて閉経を早める方向に働くことが知られています。したがって吸わない人ほど遅くなる傾向。
2-2. BMIが極端に低くない(やせすぎではない)
体脂肪はエストロゲンを補う“貯蔵庫”として働くため、やせが強いほど早く、適正〜やや高めの人は遅くなる傾向が指摘されています。
※肥満は別の健康リスクを高めるため、あくまで適正域の維持が前提。
2-3. 出産歴がある/妊娠・授乳期間がある
妊娠・授乳の期間は排卵が抑制されることが多く、トータルの排卵回数が少なくなるため、閉経年齢がやや遅くなる方向に働く可能性が指摘されています
(出産回数や最終出産年齢など生殖歴の影響)。日本産婦人科学会
2-4. 初潮が比較的早かった
初潮が早いほど閉経も遅いという相関が報告されることがあります
(遺伝や卵巣機能の個体差が背景)。
ただし影響の出方は個人差が大きい点に注意。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア
2-5. 家族歴(母や姉妹の閉経年齢)が遅め
遺伝的要素は閉経年齢に影響します。家族に遅い閉経の人がいる場合、自分も遅くなる傾向。
ワンポイント:ネットで「子宮筋腫があると閉経は遅い」と断定されることがありますが、“筋腫が閉経を遅らせる”という因果は一般化できません。
長期にわたりエストロゲンにさらされる(=閉経が遅い)人ほど筋腫ができやすいという順序で理解するのが実務的です。
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3. 閉経が遅い人の“メリット”と“気をつけたい点”
3-1. メリット(守られるもの)
骨の健康:エストロゲンは骨代謝を守るため、骨密度低下(骨粗鬆症)の進行を遅らせやすい。
血管・心臓:血管のしなやかさを保ち、心血管疾患のリスクを相対的に抑える方向に働く。
肌・粘膜・気分:コラーゲン産生や粘膜保護、自律神経の安定に関与。上記はエストロゲン曝露期間が長いことで得られる総合的な保護効果として説明されます。
3-2. 気をつけたい点(ふえる可能性があるもの)
乳がん・子宮体がんのリスク:エストロゲンにさらされる期間が長いほど、乳がん・子宮体がんのリスクは相対的に上昇。検診の重要度が上がります。
更年期症状が“長引く”こと:ホルモンのゆらぎ期間が長く、ほてり・発汗・不眠・情緒の波がだらだら続く人がいます(重さ・長さは個人差)。
結論:閉経が遅い=“良い・悪い”の単純比較ではなく、守られるものも増える一方、検診で見張るべきリスクもある――バランス管理が本質です。
4. 受診の目安とチェックリスト
閉経が遅いこと自体は多くの場合正常範囲の個体差ですが、次のサインがあれば自己判断せず受診を。
5. 今日からできるセルフケア(睡眠・栄養・運動・ストレス)
5-1. 睡眠
寝つき改善:就床90分前の入浴、就床1時間前のスクリーン断ち
夜間覚醒対策:寝室の温湿度を整える、アルコール控えめ
朝のリズム:起床後光を浴びる+タンパク質で体内時計と血糖の安定
5-2. 栄養
タンパク質:体重×1.0〜1.2g/日を目安に。
鉄・亜鉛・マグネシウム・ビタミンD:不足しやすく、疲労・筋骨格痛・不眠に直結。
大豆イソフラボン:和食に落とし込みやすい植物性エストロゲン。
血糖コントロール:食物繊維→タンパク質→主食の順食べで乱高下を抑える。
5-3. 運動
週150分の有酸素運動(速歩など)+週2回の筋トレ。
関節痛がある日は、可動域×軽負荷のリカバリーへ切り替え。
5-4. ストレス
3分呼吸法・短時間瞑想・日記(思考の棚卸し)
「できたことメモ」で自己効力感を毎日チャージ
セルフケアは治療と独立ではなく“相乗効果”。閉経が遅い人は「長期戦」を見据え、無理なく続く設計が鍵です。
6. よくある疑問Q&A
Q1. 55歳を過ぎても生理がある。すぐ病院?
A. 不正出血がある/出血量・周期が急変した/強い痛みなどがあれば受診を。
症状が落ち着いていても、年1回の検診は続けましょう。和歌山医科大学
Q2. 閉経が遅いと「長生き」する?
A. エストロゲンに長く守られる分、骨・血管にはプラスに働く可能性があります。
一方で乳がん・子宮体がんは相対的に上がるため、総合的なリスク管理が大切です。
Q3. 「子宮筋腫がある=閉経が遅い」は本当?
A. 因果は逆で、エストロゲンに長くさらされる人(=閉経が遅め)に筋腫が生じやすいと考えるのが実務的。筋腫が閉経を遅らせると一般化はできません。
Q4. 何を“観察”しておけばいい?
A. 出血パターン(間隔・量・塊)、症状の頻度(ほてり・発汗・不眠・気分の波)、体重・運動・睡眠時間、検診歴。
この記録が診療の質を上げます。
7. 診察を最短で有益にする「メモ術」テンプレ
スマホのメモに保存して、そのままコピペで持参を。
主訴:(例)「生理が続き生活に支障。出血量が増える日がある」
月経の変化:周期( )日/量(増減)/血塊(有・無)/最終月経( 月 日)
気になる症状:ほてり(回/日)・発汗・動悸・不眠・関節痛・気分の波
既往・服薬・家族歴:乳がん・子宮体がん・血栓症など
検診・検査の履歴:いつ・何を・結果の要点
希望:仕事を続けたい/睡眠を改善したい 等
Tip:年1回の乳がん・子宮体がん検診の受診日と結果をメモに一括管理しておくと便利。
8. まとめ
参考・出典
本記事は女性の健康支援の専門家監修のもと、最新の国内情報と現場での知見をふまえて作成しています。個別の診断・治療は、年齢・既往歴・服薬・家族歴等により異なります。気になる症状がある場合は、信頼できる医療機関でご相談ください。
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