更年期障害に運動は効くのでしょうか?
更年期に運動は何したらよいのでしょうか?おススメの運動は?
更年期障害で辛い時に運動習慣を長続きさせにはどうしたら良いでしょうか?
そういった疑問をいただくことがあります。
年間約500件もの更年期の方のカウンセリングをし、自身も更年期中で体調管理に努める筆者が今回お答えします。
Youtubeでもお伝えしておりますので、良ければこちらでお聞きください。
こちらの内容は音声でも聞くことができますので音声のリンクから移動中などに聞いてみてください。
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<目次>
更年期に効く運動とその効果
更年期女性に対する運動の効果を報告した国内外の研究では、
閉経前の女性のランニング程度の運動が骨密度を維持向上させること
日頃、座ってばかりいる女性が筋トレを行うと筋力の向上、血中脂質、骨機能への効果があること
更年期についての知識を得たうえで運動を行うと、しびれや感覚異常、イライラ感に効果があること
などが報告されています。*1
特におすすめなのが
ウォーキング*2
寝る前10分のストレッチ*3
筋トレ*4
などで、ホットフラッシュや不眠症のケアに役立つとされています。
実際に私も朝30分のウォーキングを始めましたが、一時期は寝たきり位ひどかった更年期が今はホルモン治療と運動のおかげでかなり快適に過ごせるようになりました。
以上から考えると
筋トレ+ウォーキング+寝る前のストレッチ
の組み合わせが一番おススメです。
筋トレのメリット
筋トレのメリットは
・テストステロンが出る
・成長ホルモンが有酸素運動よりも出る
・BDNFが出る
これらを一つ一つご説明します
テストステロンとは
テストステロンとは男性ホルモンなのですが、閉経後は女性の体の健康ににとって大事な役割を持つようになると言われています。*5
ホットフラッシュ以外の効果として以下のようなものがあげられています
*5
つまり、閉経後の体のケアやメンタルのサポートに役立ちます。
更年期でも手軽にできる筋トレ
①スクワット
1セット10回で、3回に分けてやります。
最初は1日10回やるだけでも十分です。
スクワットはYoutubeなどで検索していると出てきますから、動画と一緒にやるのがおススメです。
尚、筋肉痛の時はやらないでください。
2~3日に1度くらいで大丈夫です。筋肉痛がなくなってきたら毎日やって構いません。
②プランク
写真のような体制でやります。
最初は15秒から、毎日+15秒します。
2日目は30秒、 3日目は45秒など
しんどければ15秒ずつに分けても構いません。
私はMAX120秒くらいまでを分けてやったりしています。
肩が痛い場合はプランクはやらず、スクワットだけにしましょう。
筋トレがもたらすその他の効果
筋トレをすると、成長ホルモンが出ます。
成長ホルモンはその言葉からも分かるように、“身長を伸ばすホルモン”としてよく知られています。
しかし、成長ホルモンにはもう1つ重要な役割があります。
それは、体にある物質をエネルギーとして使えるような物質に変えていく働きです(これを代謝といいます)。
私たちが生きていくためには、体内でエネルギーをつくることが欠かせませんが、成長ホルモンはその過程で大切な役割を担っています。
つまり成長ホルモンは、子どもから大人まで、あらゆる年齢に必要なホルモンなのです。
また、成長ホルモンは睡眠中に分泌されており、疲労回復に欠かせないホルモンです。
更年期は疲れやすくなりますから、成長ホルモンは疲労回復のために大切なものとなります。
筋トレやウォーキングは更年期の物忘れ対策にも効果あり
筋トレやウォーキングをすると、BDNFという物質ができます。
BDNFは、私たちの脳の中で記憶をつかさどる「海馬」に多く含まれ、神経細胞の働きを活性化してくれることがわかってきています。つまり、脳の活性化に大きな役割を持っているのです。
また、BDNFは脳だけでなく、血液中にも存在しており、加齢とともに、その量が低下してきています。そのため、加齢とともに認知機能が低下する原因のひとつになる可能性が考えられているのです。
更年期の運動の始め方
さて、運動が大切なのはお分かりいただいたと思いますが、いざ「やろう」となると二の足を踏みます。
私もそうでしたからよくわかります。
「更年期には運動が大切」ということを知ってから実際運動を定期的に続けられるようになるには3年近くかかりました。
そうしたところ、始めても長続きしない原因には法則があると知りました
①目標を高く設定してしまう
②成果を早く求めすぎてしまう
③できない日があると、翌日からやらなくなってしまう
逆に言うとこの法則を乗り越えられるようなルール作りが大事です。
それは
①1日5分のウォーキングなど短い時間でやりやすいことから始める
②できたことを喜び長く続けることを目標にする
③できなかった日があってもいつでも再開してもよいとする
といったルールです。
また、始めるタイミングというのも大事です。
私が散歩から始めたのはゴールデンウィークでした。気候も良く、朝早くから太陽が昇っていて暑すぎない、ということが利点でした。
寒すぎると朝起きるのが億劫になります。また日が昇る時間も遅いので時間が限られてくるのです。
暑すぎると今度はホットフラッシュの問題で汗が噴き出してその不快感でやめてしまいます。
個人的には5月や10月くらいが一番おススメですが、5月から散歩を始めると夏の汗がかなり楽になるという経験をしました。
運動を更年期でも長く続けるための進め方
更年期で不調になると、動けない人が多いです。ですからいきなり30分歩くだけで翌日疲れて動けなくなる人も…
ですから、おススメの順序は
①朝起きたら窓から光を5分浴びる
↓
②朝玄関の外に出てみる
↓
③朝家の周りを5分ほど歩いてみる
↓
④朝家の周りを15分ほど歩いてみる
↓
⑤朝家の周りを30分ほど歩いてみる
です。「家の周り」としたのは、辛ければすぐ帰宅できるからです。
また、①→②は徐々にで良いですし、中には後戻りする場合もあります。体調によっては②以降の好きな番号から初めて構いません。
自分の状況に合わせて調整していきましょう。
毎日歩くことができるようになったら、次は筋トレをしましょう。
そして、筋トレも追加する場合は先に筋トレをやってから有酸素運動するのが筋トレの効果が出やすいためおススメです。
ウォーキングになれたころ最もおススメの簡単な運動
経験上まずは歩けるくらいの体力が必要になります。そして30分のウォーキングが日課になってきたころにおススメしたいのが
インターバル速行
という方法です。
これは3分早歩き・3分普通歩きを組み合わせて5セット 計30分のウォーキングです。
早歩きの場合は最大を100%とした場合、70%ぐらいのパワーで早歩きをするのがおススメです。
また、3分ずつで切り替えても1分ずつで切り替えて計30分でも構いません。
スマホなどでタイマーをセットし、正確に測りながら実施するのがおススメです。
信州大学大学院特任教授であり、NPO法人熟年体育大学リサーチセンター副理事(2020年10月時点)の能勢博先生によって科学的根拠に基づき提唱されており、各個人の筋力や体力に合った適度な強さで運動することができます。
私自身これをやって更年期の薬がほぼいらなくなるくらい楽になりました。
結構きついので、私は普段の散歩になれてから始めましたが、人によってはこの運動から始められても良いかもしれません。
無理せずできる範囲で初めて少しずつ負荷をかけていくのがおススメです。
インターバル速歩の効果を高めるために推奨されているのは、ウォーキングの後でコップ1杯の牛乳を飲むことです。
「糖質と乳タンパク質を含む食品の摂取により、筋肉の修復効果が高まり、筋肉量が増えやすくなります」
とされています。
私はこの運動の後、シリアル+牛乳+プロテインを混ぜて朝食を食べています。
更年期の運動…どれくらいで効果を感じたか
私がウォーキングで効果を感じたのは毎日ウォーキングを30分して3か月たったころになります。
その頃はすでに真夏でしたが、ホットフラッシュで悩まされる頻度も明らかに軽減していました。
また、何日も寝込むことはなくなりました。
そして、インターバル速行で、薬をのむことがほとんどなくなりました。
大事なのは細々と続けることです。
体調が悪くなってしばらく中断しても、また始めることがとても大切です。
運動とセットで対応しておくべきこと
実際にひどい更年期障害を経験した私にとっての救世主は運動だけではありません。それは「メンタルの安定」でした。
運動である程度メンタルは安定しますが、それでも外部にストレス源があるとイライラしたり落ち込みが出たりします。
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まとめ
いかがですか?更年期には運動が効果があることがお分かりいただけたと思います。
しかし、中には体調が悪すぎてすぐには運動できないという方もおられるでしょう。
最初にやるべきは休息と治療です。そこである程度日常生活が送れるようになってきたら、運動を始めてみましょう。
決まった運動ができるようになれば、体調は格段に良くなりますよ。
*1 更年期女性に対する健康教育に関す恵右過去10年間の文献検討
*2 英国のリバプール ジョン ムアーズ大学の研究
*4 スウェーデンLinkoping University 研究
*2
https://style.nikkei.com/article/DGXNASFK1400K_U0A011C1000000/
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